渡邊靖志
- 出版社: 培風館 (2002/04)
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- 理系の大学1,2年程度むけの教科書。出来るだけ数式に頼らず,素粒子物理学を概観している。最近,発見され,2012(?)年のノーベル賞にもなった「ヒッグス粒子」についても説明がある。丁寧,時にはユーモアに概観している。
- 目で見える物質は,分子や原子でできている。原子は「原子核」と「電子」からできている。「原子核」は,「陽子」と「中性子」からできている。原子の周りには,それよりさらに小さく軽い「電子」が回っている。「陽子」や「中性子」は,「クオーク」と呼ばれる「これだけでは単独では存在しない」なにかでできている。これらの微小の世界では,日常の常識では説明できない現象が起こり,「量子力学」と「特殊相対論」で物事が進む。これがまったく不思議な「素粒子」の世界だ。
- 原子の大きさは,おおよそ10の-10乗m。
- 「陽子」や「中性子」は,さらに小さく,おおよそ10の-15乗m。
- 「陽子」や「中性子」の質量は,おおよそ10の-27乗kg。
- 私は,宇宙の研究をしている。宇宙は,現在,膨張しており,138億年前には,原子より小さな大きさだったと考えられている。この「宇宙の始まり」は,素粒子の物理を使って初めて知ることができる。さらに,宇宙には,「暗黒物質」と呼ばれる直接に観測できない謎の物質が「普通の物質」以上にあると考えられている。この正体は何なのか?これを捕まえるには,どうしたら良いか?このような疑問を考えるためにも,まずは素粒子の物理が必要だ。
- 素粒子が専門ではない研究者にもお勧めします。
- その他のキーワード。
- 反粒子,
- ニュートリノ,
- バリオン,レプトン,加速器,4つの相互作用,弱い力,強い力,ゲージ不変性,対称性,
- 宇宙の始まり。
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