2013年12月22日日曜日

原発事故と科学的方法 (岩波科学ライブラリー)


すでに評価された科学者でありながら,「政府と専門家の言うことは必ずしも信頼できない,ウソが多々ある」と勇気を持って行ってくれた著者と出版社に感謝。

天文の世界では著名な理論物理学者による原発事故の考察です。


合理的,科学的に考えると,地震が多く,人口密度も高い日本で原発を運用するのは,危険です。直接的に不安と被害を被る周りの住民,事故が起こったときに税金を投入する国民にとって,大きなリスクです。実際,福島で取り返しのできない事故が起こりました。少なくとも日本では,原発は危険。早急にやめべき。政府や専門家は危険を過小評価する場合が多い。それでも,原発を止めない政府とそれを支持する大多数の国民,なぜでしょう?

究極的には,「これまでの日本のシステムを作ってきた経済的に安定している人,現状に満足している人」と「将来の子供達のために,多少,不便でも,不安のない社会を作りたい人」との争いなのでしょうか? こう言ってしまうと,ちょっと悲しいです。

競争と共生のバランス,強い人の欲と弱い人の悲しみ。言うは易く行うは難し。自分の頭で考えて,行動しないとあかんです。


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