2013年6月1日土曜日

物理学で理解する宇宙


「物理学・宇宙科学」: タイトル「物理学で理解する宇宙」

満天の星空を見ると,だれでもいろいろな疑問を持つ。星はいくつあるのか。宇宙はどこまで続くのか,時間に始まりはあるのか。地球以外に生命はいるのか。人類は,いつまで生き続けられるだろうか。このような不思議に,科学者はどう挑み,どう理解してきたか,歴史に沿って,我々の理解を府感する。同時に,宇宙を理解するために物理学の基礎を学ぶ。

古代の人々は,夜空に星座を描き,暦を作り,季節の変化を読み取ろうとした。世界の各地に残る神話の中では,宇宙の起源はどう語られてきただろうか。

神話や宗教の世界像に別れを告げたのは,17世紀の望遠鏡の発明とガリレオによる月の凸凹,木星の衛星などの発見である。惑星の運動を法則の形でまとめ上げたのがニュートンである。彼らによって,客観的な観察,再現性のある実験,美しい法則に基づく「科学的な手法」が創られた。同時に宇宙の中心は地球ではなく,「星の世界」であると理解された。18世紀にはハーシェルによる星の分布の観測によって,天の川は星の集団であり,太陽もその中の星の一つに過ぎないことが発見された。

20世紀の初めには,「天の川」の外にも,いくつかの銀河が見つかり,宇宙は「銀河の世界」という考えが広まった。ハッブルは,銀河がその距離に比例する速度で,地球から遠ざかっていることを発見した。この「ハッブルの法則」は,宇宙が「ビッグバン 」で始まり,今も膨張しているモデルで最も自然に説明できる。21世紀の今,我々は,宇宙が約137億年前に始まったと理解し,129億光年先の銀河を見つけ,太陽系以外の惑星も多数発見した。ただし,銀河の回転運動や宇宙の膨張速度の精密な測定は,既知の物質と法則では理解できない。これらは,「暗黒物質」や「暗黒エネルギー」で説明できるのだろうか,あるいは大きなパラダイムの転換が必要なのだろうか。

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