2013年8月7日水曜日

X線分光による暗黒物質の探査 - 過去の探査とASTRO-H -

A seminar @ ISAS


2013年8月6日火曜日 午後1時半から午後2時半まで
JAXA 相模原キャンパス A棟6階 会議室

講師:田村隆幸(JAXA宇宙研)

アブストラクト:
前回の鎌田さんのセミナーで,グラヴィティーノ,モジュライなどの 
"軽くて,相互作用が超弱い" 粒子がDMの候補として紹介された.
Sterile Neutrino(SN)もそのようなDM候補の一つである.この粒子
は,keV相当の質量を持ち,崩壊によってX線を放射する可能性がある。ただ
し,その崩壊率は非常に小さく,地上での検出はとても難しい。宇宙の大規模構
造の暗黒物質がユニークな探査ターゲットである。これまでもいくつかの衛星
で,このX線探査が行われてきた。未だ,有為な検出はない。これらの結果をレ
ビューする。ASTRO-H/カロリメータでの検出の可能性を検討した。エネルギー分解能の良いカロリメータの場合には,これまでとは質的な違った分光が可能になる。ただし,小さな視野に適した暗黒物質が多くかつバリオンからのX線放射が少ない天体を選ぶ必要がある。天の川銀河,矮小銀河,渦巻き銀河,楕円銀河,銀河団での探査について検討した。これらの状況を報告する。

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