2013年7月21日日曜日

東電福島原発事故調査・検証委員会

http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/icanps/


東電福島原発事故調査・検証委員会は、平成23年5月24日付け閣議決定に基づき開催されておりましたが、平成24年7月23日の最終報告提出をもって調査活動を終了し、平成24年9月28日の閣議決定により廃止されました。
 以下は、当時の委員会の活動記録についてアーカイブとして公表しているものです。

(抜粋)

今回の福島原発事故は人間の歴史の中でも際立った大事故である。津波による浸水後に 発電所内で起こったことは、我が国の原子力発電関係者がこれまでに遭遇したことがない 事象の連続であり、発電所で事故対処に当たった関係者の身を賭した活動がなければ、事 故は更に拡大し、現在よりはるかに広範な地域に放射線物質が飛散したかもしれなかった。 中間報告及び本最終報告で述べたとおり、個々の事象への対処には不適切なものがあった ことは否めないが、他方で、現場作業に当たった関係者の懸命の努力があったことも是非 ここに記しておきたい。
原子力発電所の事故は、事故発生から廃炉作業などの必要な措置が終了して真に事故が 終息したと言えるまで、非常に長い期間を必要とするだけでなく、飛散した放射性物質に よってその周囲に生活していた人々を全く理不尽にその場所から引きはがし、広範な地域 において人間の生活と社会活動を破壊してしまう恐ろしいものである。現に、福島県の十 万人以上に上る人々が避難を余儀なくされているなど、多数の人々が現在もこの事故の被 害を受け、国民生活にも大きな影響が続いている。世界の人々も、今回の事故に強い衝撃 と不安を感じた。我々は、この事故を通じて学んだ事柄を今後の社会運営に生かさなけれ ばならない。この事故は自然が人間の考えに欠落があることを教えてくれたものと受け止 め、この事故を永遠に忘れることなく、教訓を学び続けなければならない。
平成24723
東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会 委員長 畑村 洋太郎 

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